大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)2482 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は全部被告人の負担とする。

理 由

弁護人平林庄太郎上告趣意。 所論第一審判決認定の事実は同判決挙示の証拠に

照らし、これを肯認するに難くないのである。従つてその事実認定を是認した原判

決にも所論のような違法は存しない。所論は事実審がその裁量権の範囲内で適法に

なした事実の認定を非難するものであり明らかに刑訴四〇五条所定の上告適法の理

由に該当しない。そして単なる事実誤認を理由とする上告を制限することが何等憲

法の精神に悖るものでないと解すべきことは、既に当裁判所大法廷の判例の判示し

ているところである。果して然りとすれば判決に影響を及ぼすベき重大な事実の誤

認あるとき、被告人のために上告裁判所をして職権を発動せしめ原判決を破棄し得

ることを定めた刑訴四一一条三号の規定を違憲なりとしこれが適用を拒否するが如

き所論は原判決の法令違反とは何等関係のない主張であるばかりでなく、被告人の

不利益を主張するものに外ならないのであつて上告適法の理由となすに足りない。

しかも本件は同条を適用すべき場合とは認められない。

よつて刑訴四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項に従い主文のとおり決定

する。

この決定は裁判官全員の一致した意見である。

昭和二六年三月一五日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 眞 野 毅

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裁判官 齊 藤 悠 輔

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